自分らしい街歩き
7/15(月)~7/21(日)
さてさて、なんちゃってひとり暮らし生活もついに最終日。今日も朝8時に起きて、午前中は動物たちのお世話とビニールハウスへの水やり。午前中はゆっくり過ごす。夜にホストファミリーが帰ってくる予定だ。
そして、6/24(月)にここに来たので、もう今週で4週間目になる。7/31(水)までお世話になる予定なので、残すは来週と、あと数日。
載せ忘れていたのだが、先週採った苺。今が旬なので、数日ごとにボウルいっぱい収穫できる。ときどき双子の苺を見つけるのだが、一度だけ三つ子に出会い驚いた。大ぶりでなくても、甘くて美味しくて、好きなだけ食べられて嬉しいのだが、収穫したあとは肌が出ていた手や腕に必ずじんましんが出た。かゆみや発疹はしばらくするとおさまるので、単に葉っぱがチクチクしたせいで肌が過剰反応したのだと思い込んでいる。詳しいことは分からない、気にしない。
この家庭では、生ごみはキッチンで集めて、外に置いてあるコンポストビンの中に入れて、しばらく熟成させ、最終的にまた肥料の一部として再利用するシステムを取っている。今使っているビンと、熟成させているビンに分かれているが、色や形がバラバラなのは特に意図がないようだ。生ごみの他にも、庭で抜いた雑草、紙ごみ、うさぎのフン、鶏糞などなどが混ざっている。わたしが知っていた知識では、生ごみを入れるごとにハエ対策として上から土をかぶせた方が良いことや、腐った食べ物は入れてはいけないこと、があったが、家族は細かいことはあまり気にしていない様子。腐りかけの食べ物もぼんぼん入れている。
ひとり暮らし最終日は、ひたすらのんびりして、Youtubeを見たりブログを書いたり、洗濯をしたり自分の荷物を整理したりした。特にこれと言って書くこともないので、今回は家の様子について少し話す。
この家は、家族が4年ほど前に買って、自らリノベーションしたそう。というよりも、今もし続けている。一応プライベートなことなので全ての写真はアップロード出来ないが、参考までに、これが今作っているリビングルームの様子。
床には、暖かい水をパイプで通して、床暖房のような仕組みをつくろうとしている。ちなみにこれはわたしが来てから数日ほどの写真で、今はもう床一面にセメントを敷き詰め終わっている。正確に言うとセメントのようで従来のセメントではない、ライムというものを使っていて、少しでも地球にやさしい選択をするように心がけているからだそう。一日だけ専門業者一人に手伝ってもらいコツを教わっていたが、その後はすべて自分たちで作業を進めていた。
あとは壁と天井の作業が残っているそう。家づくりはほぼ終盤に差し掛かっていて、この部屋と玄関辺り以外はほとんど終わっているので、1年以内には完成できるだろうとのこと。最近は庭仕事の方にもっぱら時間を割いていて、わたしもそのお手伝いをしている。
さて、そんなこんなで家族が夜に帰ってきて、月曜日が終了。
一気に四人帰ってきたので、急に家がにぎやかになった。異国での慣れない共同生活に疲れながらも、束の間のひとり生活を楽しみ、かと思えば寂しさを感じ、家族と会えればなんだかほっと一息。よくわからない感覚である。
火曜日は、毎日の仕事をこなしたあと、家族と一緒に街へ出て少しぶらぶら。
かわいいものばかり…。とりあえず写真に収めて、満足感を得ることにする。
帰宅後、木曜日から4日間、家族が WalesやSheffield にホリデーに出かけ、その間にいろいろと用事も済ませてくるという話を聞いた。
ホストファミリーはいつでも急に予定を知らせてくるので、それだけは前もって伝えてほしいところだが、数日間家を空けている間は友人家族が動物や野菜の世話とホリデーも兼ねてこちらへ来てくれるそうで、私も一人でどこかへ出かけてもいいと言う。ひょんなことから、急遽、私も一人でホリデーを過ごすことになった。
さあ、4日間どう過ごそうか。出来ればそこまで遠くないところへ出かけたいが、あまりにも突然でアイディアもなく困っていたところ、行き先に悩むならスコットランドはどうかと提案されたので、ちゃっかりそうすることに。と言っても、今住んでいるところはイングランド北部なので、スコットランドにはかなり近い。車で20分ほどあれば境目のあたりの向こうの街に行けるほどの近さである。実は、この滞在中に2回ほど家族と用事で出かけたことがあるのだが、観光と言う観光はしていなかったので、この機会に電車で都心部まで行ってぶらりと街歩きをすることにした。
夜遅くに、急いで三泊分のホステルを予約。一泊ごとにそれぞれ違うホステルを予約してみた。私が予約したのはどこも一泊1,200円~1,600円ほどだったので、数日前の急な予約でもそこまで出費がかさばらずに済み、ほっと一息。
水曜日の仕事は、雑草抜きからスタート。もちろん、パンを焼いたり動物の世話をしたりすることに加えて。
ホストマザーはここをクローバーで埋め尽くされた芝生の広場にしたいようなのだが、よく見ると葉っぱがトゲトゲした雑草がいっぱい。
この他に、紫色の丸い花を咲かせるアザミ(実はスコットランドの国花らしい)も、葉っぱがトゲトゲなので、根元から抜く作業を永遠に続けた。軍手をしていても、たまに「いてて…」と刺さるくらい鋭利なので、子どもが裸足で駆け回ったりしたら大変なことになるのも想像できる。ちなみにこの作業は滞在中2回目で、前はトゲトゲが指に刺さって血が出た(すぐ止まった)。軍手をしているにも係わらず。
その後は、庭のにんにくを抜いて、三つ編みに編む作業。こうしてまとめて、干しておくのだとか。これは個人的にかなり楽しかった。
次は洗濯。この日は、布団のシーツやカバーばかりだった。洗濯用洗剤はecoverというドイツ製のエコな洗剤を使っている。
こんな感じで、毎日の決まった仕事に加え、日によっていろんなお手伝いを一日5時間ほどする。空いている時間は家族と喋ったっり、5歳の女の子と遊んだり、食事の後は洗い物担当になったりして軽いお手伝いもするので、完全に1人で過ごす時間は、晩ごはんを終えて少し経った後から。意外と自分の時間は多くない。
この日の晩ごはんのデザートは、アップルクランブル。知ってはいたが、日本ではあまり食べたことがなかったので嬉しかった。たいていカスタードクリームや生クリーム、アイスクリームと一緒に食べるそう。今回は豆乳で作ったカスタードクリームをホストマザーが作ってくれた。
赤ワインもグラス一杯飲んだ。味や質の良し悪しはまだあまり分からないが、嫌いではない。そういえばこの間は、グラス一杯のビールを飲んだ。
木曜日。
この日はホストファミリーと同じタイミングで家を出る予定だった。17時に車で出発しようという話だったけれど、結局17時40分に出発。適当でいつもギリギリの家族(悪口のつもりはない)なので、予想は出来ていた。家から駅までは40~50分かかり、少し寄り道をするとのことだったので、駅に到着するであろう時間は、18時45分ごろ。19時過ぎにスコットランドへ向かう電車を予約していたので、わたしの選択はやはり正しかった。車の中では、ぶどうを房ごと持って食べながら過ごした。なんか海外っぽい。
お金をたらふく持っているわけではないのと、何せ突然決まった旅行だったので、出来る限り節約しようと家から沢山の食材を持って行った。緑色のスピルリナパウダー(藻類の一種でヴィ―ガン生活をしていると摂取不足になることがあるビタミンB12を多く含んでいる)を入れた全粒粉の食パンに、野菜スティック、いくつかのフルーツ。
長女(13歳)は家族と一緒ではなくひとりで、実の父親のもとで2週間ほど過ごすそうで、わたしが出発する日にちょうど入れ違いで帰ってくるそう。今日で、彼女とはお別れだ。予想通り18時45分ごろ、家族には駅でわたしを降ろしてもらった。長女にありがとうと別れの言葉を伝え、家族には「また日曜日に!」とひとこと言い、その場を後にした。
電車のチケットはインターネットで予約していたので、切符は買わずにすぐに乗れた。窓側を指定していたのだが、なんとオンラインチケットに書かれたわたしの席は、たしかに窓側の席ではあるがなぜか、窓がなかった。
この通り。1時間半ほど乗るにも係わらず、外が見えない電車旅なんてきっとつまらない。他にも席はたくさん空いていたので、お行儀は悪いが別の席に移ることにした。
新しい席から、わたしが座るはずだった席を眺めてみた。ちょっと笑える。
新しい席からの眺めはまずまず。コンセントはないがWi-Fiがあったので、途中 調べ物も出来て快適だった。電車に乗っていると、駅員さんが 前の駅から乗車した利用者のチケットの確認をし始めたのだが、それがあまりにも早口で早足だったためタイミングが間に合わなかった。引き返してきたときにやっと声をかけると、「正直に言ってくれてありがとう」とひとこと。いつも作業が雑すぎるのか、乗客が聞いていないのか、きっと回収率?確認率?が低いのだろう。
車窓から見えるのは、ひたすらに緑の風景、そして牧場や動物たちばかり。なんてのどかなところなんだと、心が安らいだ。イギリスは国土の半分ほどが、牧場か牧草地らしい。
20時ごろに軽い夕食を食べた。電車に乗る前にスーパーでフムス(ひよこ豆のディップペースト)を買った。やっぱり買ったものよりも手作りの方が何倍も美味しい。
さて、駅に到着。
驚くべきは、写真に写っている手前の女性が、コートを着てマフラーを巻いているということ。今は紛れもなく7月だが、確かに本当に夏なのか疑うくらい肌寒い。かく言うわたしは、半袖のワンピースを着ている。まあ多少の寒さくらい我慢できるので、気にしないでおこう。
スコットランドの首都、エディンバラ。街全体が世界遺産だというので驚きだ。
21時前、ホステルに到着。駅から徒歩1分の近さだった。わたしが泊まったのは、三段ベッドがいくつもある部屋で、男女共同のドミトリータイプ。一番下のベッドと指定されていた。
所狭しと並ぶベッド。
ベッドにはカーテンが付いているので、すべてのサイドのカーテンを閉めていたら中に人がいるかどうかは全然分からない。プライバシーはばっちり。
ホステルはけっこうアーティスティックな壁紙や雰囲気だった。
窓から見える景色。うおお、美しい。
この日の夜は、22時半ごろに就寝。部屋をシェアしているメンバーの話声などは特に気にならずベッドも快適だったのだが、眠りの浅い夜だった。そして夜中に何度か、真上で寝ている人の咳や嘔吐の音で起こされた。数時間に一回咳込んでおえええええとなっていたので、何事か!?とかなり心配したが、翌朝 真上の人のベッドを覗いてみると、嘔吐物でシーツがぐちゃぐちゃで、その上でおかまいなしに男性がジーンズのまま寝ていて、ただの酔いすぎか…と思い込んでいたが、周りの人の反応も普通ではなかったので、クスリ関係という可能性も考えられる。ああ、怖い世界…。やはりホステルを一晩ごとに変える選択で正しかったのかもしれない。
金曜日
ホステルをチェックアウトし、観光へ。と言っても、残念なことに歴史に疎いのと遺産にはあまり興味がないため、今回は、食とエコショップを巡るぶらり旅をする。エディンバラはイギリスで二番目にヴィーガンフレンドリーな街らしく、首都ではないが人口が一番多いグラスゴーという街は三番目らしい。実に興味深い。
街並みを歩くだけでもうきうきする。
ELK&WOLFというこの雑貨屋さんが印象的だった。ドライフラワー大好き。お店のお姉さんは旅をしながら働いているらしい。気さくで可愛らしくて、ヘアバンドとピアスが似合う素敵な人だった。
街中で、バグパイプを弾いている人がいた。なんて独特な音色。キルトという伝統衣装を着ているので、観光客にも人気だった。
街の中心部では、かなり観光客が多い印象を受けた。中国人もかなり多い。
このあたりは、THEスコットランドという感じ。ウィスキーはまだ飲んだことが無いのと、スコッチウィスキーは日本でも買えると思うので、残念ながら今回はパス。あたりには中華レストランが多かった。
日本ではあまり見ないが、青果店にはざくろが売られていて、スーパーでもよく見る。家族もたまに食べている。
きのこの色がなんだか毒々しいと思ってしまった。日本の地味なきのこに見慣れてしまっているせいだ。
初めの目的地に向かって歩く、歩く。バスや電車は早いし楽だけれどちょっと効率的すぎてもったいない気もするので、あまり使いたくない。
街中にユニコーンの銅像らしきもの。想像上の生物なので、珍しいような。
到着!
THE NEW LEAF CO-OPという、量り売りのお店。
ナッツやドライフルーツ、シリアル、調味料、ハーブ、野菜、洗剤類まで、あらゆる種類のものを量り売りで売っている。わたしがじっくりお店の中を見て回っている間に、何人もの人が自分の容器を持参して、食べ物や日用品を購入していた。たとえそれがプラスチック容器でも、何度も何度も使えば、環境にやさしい選択をしていると言えるずだ。
パンもこうして包装なしで売られているので、自分の布袋などを持って来ればそれに入れて持ち帰ることが出来る。
みつろうで出来た繰り返し使えるエコラップや、木製歯ブラシ、バンブーストロー、布ナプキンや月経カップなどなど、環境にやさしくできるだけごみを出さなくて済むような商品も沢山売っていた。
お気に入りの写真。壁一面にこのスパイスボトルが並んでいて、夢のようだった。わたしも将来パントリー(食品庫)を持った時はどうレイアウトしようか、イメージが膨らんだ。
お店は大きくはないが、中を見て回るのが楽しくて楽しくて仕方なかった。まだ他にも行きたいところがあったので、名残惜しくも一旦外へ出た。
公園のベンチでお昼ごはん。静かで気持ちよくて、のんびり過ごせた。
次は、Real Foodsというお店。ここでは主に食品を取り扱っており、ヴィ―ガン、ベジタリアン、オーガニック、フェアトレード、量り売りなどの商品が並ぶ。エディンバラに二店舗ある。
中には日本食コーナーも。イギリスではジャム瓶ほどの小さな容器に詰められた味噌をよく見るので、少し不思議な感じ。海藻類や豆腐類も多い。
甘酒まで!ベストセラーと書かれてある。
隅から隅まで見尽くしたくなる。
Tofurkyというかけことばを発見。ベジタリアンやヴィ―ガン向けの食品には、豆腐の加工品がたくさんあって、日本人としては面白い。
安売りされているフェアトレードバナナ。廃棄しないところがよい。一本30円くらい。
紙のパッケージのリップ。めずらしい。
さて、まだまだ行きたいところがあるので、次の目的地へ出発。
おっと。
目的地へ向かって歩いていたら、なんとこんな店を見つけた。ZERO WASTE HUBと書いてある。入るしかない。
店の前では、ただのパンがずらり。FREE BREADと書いてある。大手スーパーなどで廃棄される予定だったパンが置かれているみたいだ。
店内の様子はこんな感じ。カフェがあった。
牛乳やその他の植物性ミルクが、どれだけ温室効果ガスを排出していて、どれだけ土地を利用していて、生産のためにどれだけ水がいるのかを示した図。
やっぱり牛乳は環境負荷が大きくて、オーツ麦で作られたオーツミルクや豆乳が全体的には環境にやさしいミルクと言えそう。ただ、輸送にかかるコストや排気ガスのことなどを考えると、オーツ麦や大豆をあまり生産していない国でそのミルクを飲むのは、あまりベストな選択ではないような気も。豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルク以外の植物性ミルクを飲んだことがないので、他のものも試してみたい。
かわいい壁。
サポートメンバーならもらって帰ってもいいよ、という古着たち。面白い取り組み。安く売られているアクセサリーや小物類もたくさんあった。
会員であれば、賞味期限が間近のものや過ぎているものを持ち帰れるコーナー。自分が払いたい分だけ、会計を済ませるという何とも面白いシステムを取っていた。他には、少し熟れすぎているバナナや、傷のついたリンゴ、少し傷んだ野菜なども。エディンバラでは、まだ食べられるものがどれだけ捨てられているかというデータも示されていて、身近でカジュアルな伝え方がすごくよい。
こちらは、誰でも無料で持って帰れるというコーナー。調味料や粉類、あとは化粧品などもあった。
これは、食材が入った冷蔵庫。Open me!と書かれているのがかわいい。冷蔵保存したほうがよい野菜や、冷蔵されたパンなどが入っていた。黒板シートを張っているのも好き。
トイレには自由に使える生理用品が。ありがたい。イギリスで買ったものの自分には合わなかったタンポンをここで寄付した。
偶然目の前を通り過ぎようとして見つけた、ステキな場所。日本でこういうコミュニティスペースを作るのもありだなあと、ますますやりたいことが増えてしまった。
次は、また別の量り売りかつゼロウェイストのお店へ。
THE ECO LARDERというお店。
とっても可愛らしい素敵な店内。そして豊富な量り売りのラインナップ。
こんなものも。
スパイスの瓶、愛おしい。全部オーガニックだったらもっと良い。
量り売りの洗剤。
よく見るソープナッツ。帰国する前に絶対に買って帰りたい。これは、この木の実を入れるだけで、衣類が洗濯できてしまうという洗剤いらずの優れもの。小さいコットンバッグに入れて、その袋を洗濯機に入れるだけなので、衣類に木の実の破片が付くというような心配もない。10回ほど繰り返し使えるそう。この木の実の中身は、羽子板の羽の先の黒くて丸い部分らしく、思わぬ発見に驚いた。
さあ、次はお腹も空いてきたので、あらかじめリストに入れておいたヴィ―ガンカフェへ。
Chapter Oneという名前のお店。お店の前にゴミ袋が置いてあり、いくつか廃棄のパンが中に…。悲しい。
15時ごろだったので、すでにショーウィンドウの中はほぼ売り切れてしまっていた。ショック。
可愛らしい店内。ケーキのガラス台がお気に入り。
チョコレートとラズベリーのケーキ、それからグリーンスムージーを頼んだ。入っているのは、ブロッコリー、パイン、マンゴー、セロリ、ほうれん草。果物のおかげで甘くてとても飲みやすかった。
ストローは使い捨てのプラスチックや紙のものではなく、何度も使えるステンレス製。わたしも一本持っているので、これからどんどん使っていきたい。
ここで、チェックインを済ませて少し荷物を身軽にするために、一度 今晩泊まるホステルへ向かった。その途中にエディンバラ城。
チェックインを済ませ荷物を少し減らしたあとは、晩ごはんを食べるためにまた外出。途中、素敵な食料品店があった。壁にも天井にも食べ物。天国。
小雨ときどき土砂降りに見舞われ、やっとの思いで着いたのは、Harmonium Bar & Kitchenというヴィ―ガンレストラン。
お客さんでいっぱいだったので、カウンター席に座った。素敵な店内。友人同士のグループ、カップル、子連れのファミリーもいた。
まずはサイダーを注文。イギリスでは、サイダーはただの炭酸飲料ではなく、アルコールとして知られている。これはスコットランドで生産されているもので、アルコール度数の低いりんごのお酒と言えばイメージしやすい。
飲みやすくて、かなり好みの味。ただ、甘いジュースを普段ほとんど飲まず、食事の時はお茶か水を飲んでいるので、甘いアルコールと食事を一緒に楽しむのはちょっと苦手かもしれないと気付いた。そして、今思えば、初めて一人でレストランでアルコールを飲んだ。やけ酒ではない。たまたま一人だっただけだ。
頼んだ食事は、ハギスとローズマリーのピザと、マカロニ&チーズ。
ハギスとは、羊の胃袋に羊の内臓を入れてつくるスコットランドの伝統料理。想像すると気味が悪いが、なんとかなり美味しいらしい。ここはヴィーガンレストランで、動物性の食品を一切使っていないので、大豆ミートなどでそれを再現しているだけだったが、とても美味しく満足できた。ピザを一枚丸ごと食べるなんて夢のようで、終始幸せそうな顔をしていたと思う。
マカロニ&チーズは、正式にはアメリカの料理だが、ヴィーガンチーズをたっぷり使っている料理だということもありせっかくなので一度食べてみたいと思いセレクト。通常のチーズほど胃もたれせず、思ったよりもあっさりしていて食べやすかった。チーズのような滑らかでもったりとした食感があって、とても美味しく楽しめた。
帰りはまさかの土砂降りで、また1時間ほど傘なしで歩く気力が無かったため、タクシーでホステルまで帰ることに。広い。そして運転席とはガラスで区切られていて、防犯対策のように思えた。9ポンドほどだったので、1,200円ほどの痛い出費。折り畳み傘はいつでも持ち歩き、天気予報や雲の様子は常に確認するべし…。
ホステルの一階部分はラウンジ兼レストランになっていて、食事をしたりビリヤードをして楽しむことが出来た。わたしは疲れていたので、シャワーを浴びて即ベッドへ。
今夜の部屋は二段ベッドが三つある男女共同の6人部屋で、わたしを入れて5人が泊まっていた。どこから来たの?という定番の会話をして少しコミュニケーション。これがホステルのいいところ。
さて、土曜日。
この日は朝から、週に一回開かれているというファーマーズマーケットへ足を運んだ。
野菜や果物、パン、魚、お肉、チーズ、石鹸、などなど。
スコットランドの名物、スコッチエッグをせっかくなので食べてみることに。日本でも家庭料理でたまに作られているものだが、わたしはあまり食べたことがなかった。
普段はヴィーガンの家庭でホームステイをしているので、3週間以上ぶりのお肉。想像通りの味でしかも冷めていたので、感動の味とまではいかなかったが、普通においしかった。ヴィーガンのスコッチエッグを探せば街のどこかにあったかもしれないので、ひとつ小さな後悔。しばらくの間ヴィ―ガンを貫き通せばよかったかも。私生活はベジタリアンに近いような感じで、自分で料理するときはお肉や魚、牛乳や卵そのものは全く買わず、友人とご飯を食べる時はできるだけそれらを食べないようにし、家族や親戚と一緒にご飯を食べる時はあまり何も気にしていないが、強いて言うならできるだけそれらを多く食べないようにしている。スイーツやパンが好きなので、原材料に牛乳や卵が入っているときはそこまで気にしていない。こだわりすぎると、しんどくなるからだ。
新鮮な野菜たち、愛おしい。
このトマトは、ビーフステーキトマトという名前らしい。手のひらよりも大きいサイズなので、そう呼ぶのも納得だ。
このスタンドでは、ヴィ―ガンフードが売られていた。
色とりどりで美味しそうなサラダ。
中でもこのサラダは、OSAKA SLAWという名前だそう。理由を聞いてみると、大阪のヴィ―ガンレストランに行ったときに食べたメニューを参考に作ってたからなのだと答えてくれた。少しだけ日本語も知っていた。まさかこんなところでそんな日本との繋がりがあるとは驚きだ。
ランチのためにサラダ3種類を頼み、持参した容器にも快く入れてもらった。ゴミ削減。持ってきたパンがまだ残っていたので、サンドイッチをその場で作ってもらった。なんとやさしいお店の方。
そのあとは、近くでたまたま開かれていた別のマーケットへ。いくつかの飲食スタンドは、お昼に向けて準備している様子だった。
いろんなお店。見ているだけで楽しい。中には、日本のストリートフードを売っているところも。餃子と焼きうどん。
イギリスに来てもうすぐ1か月だが、不思議と日本食は恋しくならない。たまに海外らしい豆腐やしょうゆなどは料理に使っているが、それくらいで十分である。もともと好き嫌いも特になく、洋風の食事も好きで慣れていたからかもしれない。
そのあとは街歩き。
可愛らしい色のお店が連なっていて、思わず写真を撮った。お店の前に花を吊り下げるって素敵。一気に華やかな見た目になる。
日曜日から数日間、エディンバラでTED Talksのサミットが開催されるらしく、そのポスターなどをよく見かけたように思う。そういえば最近TEDtalk見てないなーなんて。最近はYoutubeで料理やライフスタイルに関する動画を観ることが多くなった。楽しいけれど、なんだか自分の時間を無駄遣いしてしまっていることにはもう気付いている。
わくわくする坂道の階段。狭い路地の向こうには何があるのか、好奇心を掻き立てられる。
さあ、これから高速バスに乗って向かうのはグラスゴーという街。スコットランドで人口が一番多い街。夜までしばし観光して、またエディンバラに戻ってくる。
1時間20分ほどで、到着!エディンバラと比べると、かなり都会。
都会とは言えど、中世のような建築物もかなり多く、美しかった。何度も写真を撮ってしまった。良さや違いは分からないのが惜しいところ。悲しい。日本史、世界史、美術、この三つには本当に疎い。アートや音楽のような芸術さえも、ゆかりがない自分。これから勉強したい。
歩いていると、広場でLGBTQのイベントが開催されていたので、そこに紛れてひとり芝生に座りお昼ごはん。踊ったり歌ったり、とても楽しそうだった。ひとはもっと楽観的であるべき。愛する人が同性だって異性だって関係ない。体と心の性別がちがっていても、絶対にどちらかに定める必要もないし、曖昧なままだっていい。すべては本人次第。これからの問題は、当事者を取り巻く環境にあるはず。多様なジェンダーのあり方を考えた。
さて、お昼を済ませた後はまた歩いてお目当ての場所へ。ZERO WASTE MARKETという量り売りのエコストア。
シンプルでナチュラルなこの店内。かなりお気に入り。
野菜コーナー。FREE VEG!と書いてあるボックスもあり、傷んでいてもう販売できない野菜が無料で持ち帰れるのだそう。ちょっとやそっと傷んだがために捨てられるよりも、誰かに食べられる部分だけ使ってもらう方がいいことは明らかなので、いい取り組み。
エコグッズもたくさん。商品ひとつずつに値札シールが貼られているわけではないので、細かくてムダなごみも最小限なところが、さすがゼロウェイストショップ。食器洗い用スポンジや、買い物用のコットンバッグ、歯磨きタブレットに、プラスチックフリーのデンタルフロス、アルミ缶に入った日焼け止めなどなど、素敵なものばかり。
これはヴィーガンエコラップ。みつろうで出来たものはヴィーガンではないのだが、これは植物性のオイルや植物ワックスを使って作られているらしい。初めて見た。しかもみつろうラップよりも断然安い。ミディアムサイズでも、700円しないくらいだ。わたしはみつろうで出来たエコラップを手作りのもの含めもう3枚も持っているのでしばらく新しいものは買わない予定だが、次買うときはこれにするのもありかも。
そして、自由に水道水が飲めるウォーターサーバーがあったので、マイタンブラーに水を補給してから、次のお店へ。水道水が飲める国で、ペットボトルの水を買うなんてばかばかしい行為はない。ミネラルは他の野菜から補給すればよいのだ。
ゼロウェイストショップを後にし、次のお店へ向かう途中に見つけた素敵なお店。カフェスペースではヴィーガン対応のデリなども売られていた。ショップエリアには、食品やコスメなどが売られていて、プラスチックフリーの石けんやリップバーム、エコフレンドリーな商品もいくつか見つけた。商品を見ているだけで楽しい。数時間はこのお店で過ごせそう。
ヴィ―ガンのデリもいくつか。グルテンフリー表示も同じようにしっかり書かれているので、分かりやすい。だいたいどこのお店でも、「V」はヴィーガン、「VG」はベジタリアン、「GF」はグルテンフリーを意味する表示。
あまりお腹が空いていなかったので行くかどうか迷っていたThe V & V cafeというヴィーガンカフェ、なんと閉店直後に来てしまったみたいで 着いた頃には店員さんが閉め作業をしていた。お店の前の看板や中の様子、メニューだけでも見たかったが、残念。クローズの時間をきちんと確認しておくべきだった。
Soul Food Kitchenというヴィーガンレストラン、候補には入っていたが今回はパスしてお店の前を試しに通ってみるだけにした。
お店の看板にも書かれているが、ここはドックフレンドリーのお店らしい。イギリスでは飲食店だけではなく服屋さんでもたまに犬を見かける。ボルダリングジムでさえ、行くたびに中で犬を見かけた。特に問題もなく、周りの人も全く気にしていない様子に見えたし、イギリスでは犬を飼っている人が多いイメージ。日本でももう少しペットフレンドリーのお店が増えればいいなとふと思った。そういえば、日本では室内に犬用のケージの中にトイレシートを置いたりしているよと友人に話した際、かなりウケていた。イギリスでは、散歩のときに外で用を足させてそのあときちんと犬のフン用の公衆ゴミ箱に捨てて帰るらしい。うちの実家で飼っているチワワなんて、わざとなのか偶然なのか、必ず洗濯機の前とお父さんの部屋の中で、用を済ませる。今ではあらかじめその場所にトイレシートを置いているが、絶対に飼い始めのときにトイレマナーをしつけておくべきだった。
そんな話はさておき。
さて、今夜ディナーを食べるつもりのお店に到着。The 78 Bar and Kitchenというヴィ―ガンレストラン。イギリスによくあるパブのようなスタイル。外のテーブルでビール片手に友人と外で喋っているお客さんたちの姿は、日本人のわたしには到底真似できなさそう。なんというかおしゃれ。それだけで様になる。
飲み物はまたもサイダーに。今回は、ざくろとストロベリーのものをセレクト。ただ、発音が著しく悪かったのか、店員さんの聞き間違えまたは見間違えなのか、違うサイダーが来た。パイナップルとラズベリー味。瓶の栓を開けてもう提供されてしまっているので、仕方なくこれを飲むことに。パイナップル味の飲み物はどうも人工的な味がして苦手だ。
食事はどれも美味しそうだったが、ジャックフルーツを使っている今日のスペシャルメニューをセレクト。お肉の代わりとしてジャックフルーツを加工して食べることもある、という情報を知っていたのだが食べたことがなかったので、楽しみだった。
料理の味は、全体的にはまあまあ。ジャックフルーツは個人的にはそこまで好きではないことが分かった。ただ、とろとろになるまでグリルした茄子はものすごーく美味しかった。
そのあとはグラスゴーからまたエディンバラへ戻って、昨晩とは違うユースホステルで今晩を過ごす。
こんな感じ。ギリギリに予約してだいたい一泊1,500円かそれ以下くらいのホステルにいつも泊まる。
時間は夜21時ごろ。外はやたらとパーティー騒ぎかのようなうるささ。部屋の窓から覗いてみると、音楽に合わせて踊ったりアルコールを楽しんでいるたくさんの人々が。わいわいしていて賑やか。今夜は騒音で眠れなさそう…
さて、日曜日。
昨晩は意外にも寝れた。人は疲れていると騒音の中でも眠れるのか。今日は、イギリスらしい朝食を先月からまだ食べたことが無かったので、お店を探して朝からお出かけ。
ここでは、ベジタリアンブレックファーストを頼むことに。V:ヴィーガンや、N:ナッツフリーや、NG:ナッツとグルテンフリー、D:デイリー(乳製品)フリーのメニューも選べる。わたしはオプションなしの通常のメニューを選んだ。というか最初はそのオプションに気付かずふつうに頼んでしまったというのが、正直なところ。
先月からヴィ―ガンの家庭にホームステイしているので、せっかくならヴィーガンかベジタリアンの食事スタイルは続けたい。自分でもお肉はそこまで食べたいと思わないので、ちょうど良い。待っている時間は、一緒に頼んでおいたドリンクを楽しんだ。味は、ざくろとりんごとラズベリー。美味しすぎる。
グラスにさしてあるカットりんごがハートの形。これを見てかわいいときゅんと来るだけ、自分はまだ女の子らしいところがあるのかな、とふと思った。対して意味のない思考。
やってきたプレートは意外と大きい、そして熱い!バターを塗ってトーストしたであろうパンが想像以上にカリカリじゅわーっとしていてかなり美味しかった。今でも忘れられない。ここでもスコットランド名物のハギス風の食べものが。ナッツや穀物でそれっぽく作られていてとても美味しかった。同じく名物のベイクドビーンズは甘いケチャップ風味で変わらない美味しさ。最近は、卵はあまり好きではなくなったというか食べたいと思わなくなったのだが、この時点ではまだそこまで神経質になって避けたりしているわけではない。ベジタリアンソーセージも、もちろん本物と味や食感は異なるものの十分美味しさを楽しめるので、わたしはこれからもソーセージを食べたいとは思わないし、これでいい。
さて、次に向かうのはまたしても量り売りのお店。
ここではコンディショナーバーを試しに購入。
ひとつの固形石けんはボトル三本分とのデータもあるそう。それもそのはず、ボトル容器に入れて売られているシャンプーやコンディショナーは所詮水で希釈しているだけなので、それならば固形のものを買う方がお得かつパッケージフリーということ。旅行中には固形のものはかなり便利。カバンの中での液漏れの心配もないし。
生理用の布ナプキンも購入。奇抜な色はちょっと好みではないけれど、シンプルな単一カラーのピンクのものとブラックのものをそれぞれ買った。オーガニックコットンで作られているそう。生理用品のほとんどは石油由来のプラスチック素材で、冷えの原因にもなるので、もう二度と使わないと決めたのだ。
そのあとは量り売りのエコストアもう一軒へ訪問。
ガラス瓶に入ったアルミの蓋がついている牛乳や、紙で放送されたローカルなバター。量り売りのサラダレタスなどなど。普段こうして買い物ができたらどれだけ楽だろう。
フルーツや野菜も包装なし。豆や穀物、パスタ、スパイスなども量り売りで買える。
オイルやビネガー類。
なくなるたびに毎回容器を買う必要なんてないし、そのためだけに余分な容器の分のお金まで払いたくないという意見、きっと誰もが同じはず。日本でこれほどラインナップのある正式な量り売りのお店はまだ東京や愛知県、それからゼロウェイストの街として有名になった徳島県上勝町に少ししかないので、他の地域でも増えてくれることを祈るばかり。
ここでも、無料で水道水を補給できるサービスがあった。ありがたい。こんな思いやりと取り組みが当たり前になるといい。
ふらっと寄ったイギリスチェーンの健康志向系ストア。コスメや食べ物、サプリメントなどが売られている。
植物性のミルクが沢山売られている。日本でもわりとポピュラーな豆乳やアーモンドミルクだけではなく、ライスミルク、ココナッツミルク、オーツ麦のミルク、それから麻の実から出来たヘンプミルクに、えんどう豆から出来たミルク(pea milk)まで。日本はお米大国だと思っていたけれど、ライスミルクがあまりないのはなぜなんだろう?ほんのり甘くてとっても美味しいのだけれど。
次にふらっと立ち寄ったお店、ここは来たことがあるけれどまた入ってみた(なぜ)。
イギリスではナッツバターが好きな人が本当に多いしかなりポピュラー。中でもピーナッツバターが一番人気。ヨーロッパやアメリカでも普通に当たり前のように人気。トーストしたパンに塗ったり、スムージーに少し入れたり(めちゃくちゃ美味しい)、カットしたりんごに塗って食べたり。日本では高いうえに、砂糖が添加されているものばかりだけれど、ここではむしろ材料がピーナッツだけという商品ばかり。
バターと言いつつその正体は、ブレンダーやフードプロセッサーでナッツのみをひたすらスイッチオンにして混ぜるだけ。だんだん粗く刻まれ、小さくなり、ナッツに含まれるオイルのせいでべたついてくる。辛抱強く混ぜ続けると、なんともびっくり、まるでキャラメルソースのようになって、純粋なピーナッツペーストが出来上がる。これこそがピーナッツバターと呼ばれるものだ。アーモンドバターなんかも人気。このお店では、他のナッツバターの種類もたくさんあった。ピーカンナッツ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、くるみ。日本では、ピーナッツバターとアーモンドバターと、稀にくるみバターを見かけるけれど、日常的によく食べるものではない。わたしはこっちへ来てからよく食べていてとても好きになった。自宅でも作れるのでおすすめ。
と、そんなこんなで四日間のスコットランド滞在があっという間に終わり、電車に乗ってイングランド北部のホストファミリーのもとへ帰宅。駅まで迎えに来てくれた。ただいま。
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長い長い記事であった。7月の分なのに、なぜか12月に書いている。長い間さぼってしまっていたのだ。あちゃー。
そして、特に大したことは書いていないけれど、ちりつもということなのか、この記事だけで15,400字を超えている。たまげた。論文か。
でもこれはすべて、自分の記録のためでもあるし家族や友人のためでもあり、そしてまだ分からない特別な地球の誰かのため。
さて、来週分もがんばろう。
では今回はここまでです