The Spice Of Life

人生に、スパイスを。

ひとりぼっちの週末

7/8(月)~7/15(日)

さて、3週間目である。

他のボランティアの人でも、だいたい2週間くらいの滞在が多いらしく、慣れたころに帰ってしまうとホストファミリーが言っていた。わたしは31日までの滞在なので、来週と再来週分のあと2週間をこの家庭で過ごす。

 

月曜日

ここから1時間ほどの街へ、自宅で仕事中のホストファザーを除く家族と向かった。ここの家庭と同じように、家で子どもへの教育をしている他の家族との交流の機会が月に1回あるという。今回は3つの家族だけだったが、7つの家族が集まるときもあるらしい。わたしはその間、1人で街を観光。スーパーや雑貨屋めぐりを楽しんだが、残念なことに財布を家に忘れてきたので何も買えず。無駄遣いせずに済んで逆によかったのかも…?

それでは大手チェーンスーパーの様子から。わたしは日本でも海外でもスーパーをぶらぶらすることが好きで、もはや趣味の一つと言ってもいいくらいかもしれない。

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野菜売り場では、土に還る素材でできたビニール袋のようなものを発見。日本にも導入すべき。

 

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量り売りで売られている野菜もいくつか。ヘタの近くの部分だけは不必要だったのか、いくつかそのまま折られて放置されていた人参もあって、なんだか切ない。逆にその部分だけ買おうと思う人はなかなかいないだろう。

 

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こんなところで、そら豆。旬の季節はとっくに終わっているはずだが、イギリスでは何度か見かけた。

 

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卵は、すべて紙製のパックに入れられている。日本のように、プラスチック製である必要が果たしてあるのだろうか。

 

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年末までに、自社製品の黒色プラスチック容器の使用を代替品に変えると書かれてある。

 

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値引き品コーナー。「ストックの数を調整するようにはしているんだけど、時々うまくいかなくて売れ残っちゃうんです。値引き品を買って節約をしつつ、食品ロスもなくしましょう」と、こうして少しの文章があるだけでも、印象が違う。

 

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 ヴィーガン対応(卵や乳製品なし)のバター風マーガリン。

 

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 これはヴィーガンチーズ。植物性のミルクやナッツ類から作られているものが多い。

 

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ヴィーガンベジタリアン向けの食品がここだけでもこんなにたくさん。食べ物には目がないので、全て試しに食べてみたいくらいだ。彼らにとって、食べられるもの、買えるものがいつでもどこでも限られているわけでは、決してないのである。

 

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ヴィ―ガンのソーセージまで。 

「菜食主義にも係わらずそんなにハムやソーセージなどの食品に執着するのであれば、別に本物を食べればいいじゃないか」というような声もどこからか聞こえてきそうだ。上から目線になってしまいたくはないが、その解釈は間違っている。

「お肉や食肉加工品を食べたい」という気持ちは、お肉や食肉加工品をまるで元からそのものだったかのようにこれまで捉えてしまっていたからで、そのような食品が好きだったからと言って、動物たちを殺すことに対しては何とも思っていないだとか動物たちを蔑ろにしているだとか、そういう方向にはイコールで結ばれない。つまり、お肉の「食感や風味、それらを使った料理」が好きだったというだけ。それは、私たちが普段から慣れ親しんでいたお肉でなくてもいいはずなのだ。そこで出てきたのが代替肉。友人がこの話をしてくれたことがあり、ハッとさせられたことを思い出す。

 

わたしが小さい時に、スーパーに並んでいるお肉がどこから来たのか、どういう過程を経ているのか、誰も教えてくれなかった。今でも、動物の肝臓や心臓の部位が売られているところを見ると胸が痛むが、レバニラ炒めという料理があるように、動物のレバーという部位は人間が当たり前のように食べるもの、食べていいもの、美味しいもの、という認識が幼いころから植え付けられていた。だから、お肉を食べることも、牛乳を飲むことも、これまで何も抵抗がなかった。何に関しても、今まで平然と行ってきたこと、当たり前だと思っていたもの、社会の多くの人がそうしているもの、それらが「正しい」という考えがある。当たり前は必ずしも正しいわけではない。無知は怖い。だが、正しいからと言ってあらゆる人がそうすべきだという義務もない。これがまた難しいところだなあと思う。

 

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たいていどのスーパーでも見つかる、このOATLYという会社のオーツ麦のミルク。植物性のミルクが普及し始めているが、中でもこのミルク会社は特に興味深い。パッケージも可愛く、ユーモアがあり、商品ラインナップも多い。

この会社は、"It's like milk but made for humans"という広告のキャッチコピーでも知られていて、牛乳は子牛のためのミルクで本来は人間のものではなかったという事実を人々に改めて気付かせてくれている。また、スウェーデンの会社で、パッケージングはドイツで行われていること、輸送コストが高くついている点に対しては改善したいと考えていること、森林破壊の一員であるパームオイルを使用しているがサステイナブル(持続可能)で環境にやさしいものを選んでいること、それぞれの原材料の産地など、公開している情報が他社と比べて多いということも、信頼度の高いポイントとして評価できる。日本ではまだ販売されていないのが残念だが、ヨーロッパではどこでも見かけるので近いうちに飲んでみようと思う。

 

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ヘーゼルナッツやカシューナッツのミルクまである。これでも230円くらいなので、日本で400円以上するアーモンドミルクを買うよりも安いなんて驚きだ。

 

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アメリカ生まれのフェアトレードアイスクリーム(ヴィ―ガンではない)。日本では小さいカップで売られているのしか見たことがないが、イギリスではスーパーにこんなに大きい商品があった。

 

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冷凍食品コーナーには、さすがイギリスとも言えるグリンピースが大量に。豆のケチャップ煮込みとグリーンピースとフィッシュアンドチップス、イギリスの代名詞とも言える食べ物である。

 

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これもイギリス名物、マーマイト。かなり塩辛いキャラメルのようなイメージ。甘くはない。味噌に似たような味なので、日本人にとっては親しみやすいのかも。わたしは好んでは食べないが、嫌いではない。

 

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レモンカード。わたしの大好きな製品。レモンのカスタードのようなイメージ。甘酸っぱくて香りが爽やかで、レモン好きにはたまらない美味しさ。修学旅行でイギリスに行った高校生の頃、この瓶(一番右に写っているブランドの)をいくつも買って持って帰った思い出がある。日本でも、海外の製品を取り扱うお店に売っていることがあるのだが、二倍くらいの値段なのでイギリスで買うことにしたのだ。

 

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スーパー(二軒)をひたすら巡り歩いた後は、近くの本屋さんへ。ジェイミー・オリバーというイギリスの料理家が大好きなのだが、どの本を買って持って帰ろうか悩んでいる。

 

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陶器屋さん。掘り出し物があるのでは…と胸が躍るが、財布を持って来ていないので何も買えなかった。無念。

 

 

火曜日

家族がよく行くというエコショップに連れて行ってもらった。ナッツやヘアーコンディショナーの量り売りもしているそう。

欲しかったものがたくさん揃っていたので、ここにきてなんと6,000円ほどのお買い物。普段ホームステイでお金をほとんど使っていないだけあって余計に奮発してしまった。

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持ち手が木製の歯ブラシ。購入。ブラシ部分が土に還るプラスチックだったらもっと良かったが、プラスチック部分が従来のものより格段に少ないので、自分の判断基準的にはアリ。

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ホームステイ先でも使っているこのトイレットペーパー。個包装はされているものの、リサイクル紙なので環境負荷は比較的少なく、デザインも可愛い。売り上げの一部が途上国のトイレ建設費用に使用されるそう。イギリスの会社だそう。

 

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わたしは固形石鹸派なので、髪と体と洗濯に使えるという一番右のものを購入。自然素材で作られている。これもイギリスの会社。

 

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何度も使えるストロー。よく家でスムージーを飲むので、残さず飲まないための便利アイテムだ。これも購入。

あとは、写真は撮っていないがステンレス製の両刃カミソリもゲット。ゴールドピンクでお気に入り。もうプラスチック製のカミソリとはおさらばである。

 

 

水曜日

なんと木曜日から月曜日まで、家族がスコットランドの実家へ帰省するというので、1人で留守番をすることになった。ということで、5日分の食材の買い出しへ。

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ゼロウェイストとまでは出来なかったが、プラスチックフリーの買い物が出来て満足。ネクタリンという桃のような果物をゲットできたので、食べるのが楽しみである。

 

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スーパーには、買い物をしている間子どもが食べてもいい小さな果物が置かれていた。嬉しいスナック。イギリスのスーパーではわりと見かける取り組みなのだそう。

 

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ドライフルーツでたまに見るゴジベリー。こんな果物らしい。

 

このあとは、二軒のフェアトレードショップへ。

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可愛すぎるアクセサリーたち。買おうか散々悩んで結局やめた。最近は、即決できない時点で諦めるようにしている。家に帰ったあと後悔が残るようであれば、また行けばよい。そう考えるようにしている。今回も、家に帰る頃にはすっかり忘れていた。

 

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今日のおやつは、ホストファザーが買ってくれたヴィーガンソーセージロール。ひとつ1ユーロなので、136円くらい。食べてみると、本当にヴィーガンなのか疑うほどソーセージらしい味がした。美味しかった。満足。でもどうやってこの味を作り出しているのかちょっと怖い。

このあとは、ホストファザーと長女(13歳)と一緒にボルダリングジムに行き、しばしの間クライミングを楽しんだ。行くたびに、指の腹にマメができそうになり腕の筋肉も疲れるが、目標にしていたコースを達成できた時の喜びは大きい。クライミングにハマるわけが分かる。が、筋力がない私にとっては少し不向きなスポーツだと再確認。

 

 

木曜日

この日は、午後に家族が帰省のため出発することになっていた。なんと片道車で5時間半かかるという。かなりの長旅。

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今日は、エルダーフラワーのワインを手作りするため、日々のお仕事に加えて自分も少しお手伝い。共同作業はいつでも楽しい。この家庭ではジンジャエールも手作りしている。

家族を見送ってからは、Youtubeで料理のビデオを見たり、英語の勉強をしたり。動物たちの世話もしつつ、のんびり過ごした。これから4日間、プチ1人暮らし生活の始まりである。

 

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晩ごはん。ブロッコリーとトマトのガーリックパスタ。全粒粉のパスタは味に深みがあって美味しい。

 

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キッチンにあるライト。壁に光を当てる照明、雰囲気があってお気に入り。

いつもはだいたい22時台に寝ているけれど、今日はちょっと夜更かし。誰にも気を遣わなくていい一人の生活は快適である。

 

 

金曜日

8時過ぎに起きて、着替えて髪を結って、朝ごはん。毎日フルーツは1個以上食べているので、朝はいい気分。毎日必ず8時間以上、9時間ほどは寝ているので目覚めもいい。時間に追われてバタバタする必要もないので、前よりも朝が好きになった。

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りんごをどれだけ無駄なく食べられるかプチ実験。普段は当たり前のように、食べられる部分も包丁でカットしてしまっているけれど、丸かじりすればきれいに食べられる。生ごみは出来るだけ減らしたい。

 

9時より前に、ニワトリとうさぎを小屋から出してエサをあげる必要があるので、それが毎日の一番の仕事になっている。18時にはエサを回収し、21時にはまた小屋に戻す作業がある。最近あひるが一羽 キツネにさらわれてしまったので、注意して一羽も残さぬよう小屋に戻してあげなければいけない。

そのあとは、ビニールハウスや庭への水やり。これがまた、丁寧にやると2時間かかるので困ったものである。雨が降れば、ビニールハウスのみの水やりで済むのだが。数日曇りが続いているので、今日も全てに水やり…。

 

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お昼は、ホームベーカリーでパンを焼いて、マッシュしたアボカドとフムス(ひよこ豆のペースト)を乗せてナッツやシード類を少しトッピングして、塩コショウをかけて食べた。美味しすぎる。これでパンを3枚も食べてしまった。最近かなり食べ過ぎているのだが、なぜかやめられない。

Youtubeで料理の動画を観るのが大好きなので、午後はひたすらそれを見続けた。気分転換に外へ出て雑草抜きでもしようかと思ったが、結局しなかった。分かり切っていたことだ。

晩ごはんを適当に済ませ、21時に動物たちを小屋に戻し、シャワーを浴びて、あたたかいルイボスティーを飲んで、 Instagramを眺め、眠りについた。

 

 

土曜日

ミューズリー(シリアル)に豆乳をかけて食べるいつもの朝ごはんとグラス一杯のお水で、今日も一日が始まった。庭で採れた大量のイチゴと、写真には写っていないが冷蔵庫にあったブルーベリーも食べた。幸せ。

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そういえば、ここに来てからばんばん水道水を飲んでいるのだが、やはり軟水と硬水の味の違いがあまり分からない。飲み比べないことには。ただ、最近特に下痢症状に悩まされていて、これが硬水によるものなのか過食によるものなのか区別がつかない。これも困ったものである。

 

その後、午前中の水やりを終えて、庭に猫がいることに気付いたのでふと目を向けると、なんと小さい野うさぎを食べている最中だった。見てはいけないものを見てしまったような、この恐ろしい感覚。メガネをかけていなかったので、細部までは見えなかったことが不幸中の幸い。その後、その場にはうさぎの片足と体の一部だけが取り残されていた。あまりにも恐ろしすぎて、その道を通ることも出来なかった。 

 

その後 夕方までゆっくり過ごし、なんだか寂しいのでずっとBGMをかけていた。一人しては大きすぎる家と庭の中では、やはり孤独を感じる。猫が出す物音や、最近生まれたひよこがケージの中でパタパタ暴れている音、風で開いたドア、少しの物音でさえビクビクしてしまう。これは、そのくらい辺りの生活音や騒音が聞こえないという意味でもある。突然、不審者や強盗が現れたらどうしようかと一人想像しては怖気づく自分は、なんだかとっても弱くて意気地なしだ。どうせなら、1人の時間を最大限に楽しみたいのに、知らない土地で一人だという状況がますます自分を不安にさせる。

 

今日も今日とて気温は18℃ほどなので、まだ肌寒いのも余計に寂しくさせる理由の一つだ。 イギリスで過ごす夏はタンクトップ一枚で過ごすイメージだったのだが、今のところまだ登場しておらず、ずっと長袖である。今頃、日本はどんなに暑いことか…。イングランド北部、恐るべし。 

 

そしてある時、ヤギの「メェ~」という鳴き声が近くで聞こえたので、ふと庭の方に目をやると、なんと本当にヤギがいた。どうやら近くの牧場から逃げ出してきたらしい。少し慌てたのちにしばらくまじまじと見てから、写真を撮ろうと携帯を取った隙にヤギはどこかへまた逃げて行った。田舎っぽくて、自然らしくて、なんとも不思議な体験。今頃あのヤギは牧場に戻っているのか。どうか元気で過ごしていますように。

 

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この日の晩ごはんは、ポテトにさつまいも、ブロッコリーカリカリになるまでオーブンで焼いたグリル料理。味付けは、オリーブオイルと塩コショウ。スナック感覚でいくらでも食べれるくらい美味しかった。

夜はまた動物たちを小屋に戻す作業で、一日の仕事が終わる。家族が帰ってくるのは月曜日。まだ先だ。

 

 

日曜日

短いようで長い一人暮らし。

この日の晩ごはんは、また野菜のグリルだった。食欲をそそるので、オーブン料理が大好きだ。バターナッツスクウォッシュという甘みのあるかぼちゃは、私の好きな野菜の一つでもある。

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実は、食べ物の写真をたくさんあげつつ、最近はあまり食欲がない。「食べられる」のだが、お腹は空いていないというような日々が続いている。

 

その理由は、このホームステイの期間の間、理性のままに好きなだけ食べてしまったことはもちろん、家族の食べ残しを無理して私が食べていたからである。日本人だからなのか、それが「私」であるからなのかはどちらとも言えないが、わたしはもったいない食べ方がはっきり言って嫌いである。友人と食事をしても、相手がお茶碗のご飯を数粒残しているだけで少しがっかりしてしまうくらいだ。

 

この家族は5歳の女の子がいるので、特に食べ残しが多い。女の子自身がこれだけ食べたいと言ってその分よそっても、全部食べられた試しがない。両親が女の子のお皿に食事をよそう時も、半分くらいにしてあげたほうがいいんじゃないの…と思うほど、普通の量を最初から盛ってしまうので、いつも苦笑いしながらその姿を眺めている。女の子はみんなと同じ量の食事を持ってほしいと思うだろうし、両親は食べ残しを仕方のないものだと思っていて、どちらの気持ちもすごくよくわかる。わたしだって小さい頃は、グリンピースとほうれん草の茎が嫌いでよく残していたりこっそり母親のお皿にうつしたりした覚えがある。小さい子の食べ残しはある程度仕方ないものの、もう少しなんとか出来ないかと考えた結果、最近はたいてい、わたしが女の子の残した食事を平らげている。そこまで食いしん坊なわけではないのに。

さらに、家族みんなが自分のお皿に残った食事をいつも綺麗に食べ切らないことも、またわたしを悩ませている。スプーンで寄せ集めたらまだ一口や二口分はあるだろうのに、家族はよくフォークを使うのでそれがあまり出来ていない。お皿に残ったご飯の一粒、ソースの残りまできれいに食べようという意識も、どうやらないらしい。結局、微妙に残った食事は、コンポスト用の生ごみへまっしぐら。ゴミ箱に捨てるわけではないものの、土に還す肥料にするためにいわば捨てているようなものである。

洗い物係はたいていわたしなのだが、いつもお皿を洗う前に残った食事をかき集める作業は心が痛む。そして、食卓に出された鍋や大皿にまだ微妙に残った料理をかき集めて食べるのはいつもわたしだ。

それでも食事が大量に残るときもあって、この前作ったスープはプラスチックのタッパーに入れられて冷蔵庫で保存されていたが、残り物がまた食卓に出されるということがほとんどないので、残念なことに最近カビてしまった。冷蔵庫には他にも、しなびてカビそうな野菜がいくつかあって、切ない気持ちになることが何度かあった。

 

この家族はエコやサステイナビリティに興味があるという前提を知っているからこそ、その上でこの行動か…と余計にがっかりさせられるのである。ただ、私個人の価値観を家族に押し付けるつもりはなく、思ったことを伝えて相手を不快な気持ちにもさせたくない。向こうも悪気があってそういうことをしているわけではなく、ただ単に感覚の違いや、いい意味でも悪い意味でも適当な面があるからだろうと理解はできる。

 

ただ、1人で悩み、初めて食べ過ぎで数日体調を崩しているので、少し自分の気持ちを家族に打ち明けてみようかなと前向きになれた。それから、わたしが確実にすべきことは、自分が食べられる本当に適切な量を食べることである。他人を気遣い食べ残しを気にするよりもまず、自分の体調も思いやるべきだった。

 

それが、うまく言い表しにくいけれど、ここ最近考えていたこと。

 

 

それでは今週もお疲れさまでした

つづく